それはそれは都合の良い身体を手に入れました。所謂アレです、透明人間ってやつです。しかしただ無色透明になるだけはなく、自分が触れたいと思うものには触れることができ、他者からは触れられることが決してないという都合の良さです。なのでどんな恥ずかしいことをしてもどんな悪さをしても、決してとっ捕まらないのです。ただ残念ながら壁を通り抜けることは出来ないので、何処かに行きたい時はきちんと玄関を出てきちんと改札を通ってきちんと電車に乗ります。勿論無賃乗車です。でもとっ捕まることはありません。鼻歌をこぼしてはいけませんのでここはぐっと堪えます。たまに僕が座っている所に人が座ってきてまるで融合状態になってしまうのが気持ち悪いですがするりと抜けてしまえばいいので特に問題ありません。大抵の人はここで誰かにいたずらをしてやろうと思うかも知れませんが僕はやりません。僕が興味あるのはそんなことではなく、ありとあらゆる遊園地のジェットコースターを無賃乗車することだからです。空席を見つけちょちょいと乗ってしまいます。係員のお兄ちゃんは人が乗っている席しかベルトの確認をしないのでしめたものです。あれならどれだけうっひょーだとかひゃっほーだとか言っても誰も怪しみません。手に入れたばかりの身体なので全国制覇はまだまだ先の話になりそうですが、それはそれは都合の良い身体を手に入れました。
